thebbs
カテゴリ
心霊現象/霊能力

◆サンタさんがこない◆

[104] 雅姫(u_u) 2005/12/15 22:10

ある昼下がり。
小鳥のさえずる森の中を、一人の少女が走っていた。
「お母さん!どこにいるの?」
叫ぶ少女。だが答えは無い。
そのうち少女は、とある家の前に辿り着いた。
「ここね!ここにいるのね!」
そう言って少女は扉を開けた。
だがそこにあったのは、たった一つの日記帳。
何も無い家の中心にポツリと置かれている。
少女はそっと手に取り、読み始めた。

『私の娘へ。
 あなたがこの日記を読んでいる時、
 私はもうおそらくこの世にはいないでしょう。
 私の顔を全く憶えていないあなたに、
 この日記を贈ります。

 生まれてすぐに、あなたは
 あなたのお父さんの手により、私のもとから離れました。
 私はユダヤ人ですが、お父さんはそうではありませんでした。
 だから私のもとにいると、生まれたばかりのあなたまでもが
 ゲシュタポに逮捕されてしまう可能性があったからです。
 (サンタの正体・プレゼントがない理由)

 私はいずれ、ナチスの強制収容所に入れられてしまうでしょう。
 幾日かをそこで過ごした後に、
 多くのユダヤ人の仲間たちと共に殺されてしまうはずです。
 私はいつでも神を信じ、けっして希望は捨てません。
 しかし、なぜ彼らはこのような非道な振る舞いをするのか、
 私にはわかりません。
 (近づく時計の針・変な色の人たち)
 (ローマ人への手紙9章33節)

 この日記を読んだとき、
 きっとあなたは強い悲しみに包まれていることでしょう。
 でも、いつまでもその悲しみ捕らわれないでいてほしい。
 いつか、必ず喜びはやって来ます。
 (詩編126章5節)

 いつも喜びを忘れないで。
 絶えず祈りなさい。
 すべての事について感謝しなさい。
 決してナチスに屈せず、強い意志を持ち続けなさい。
 あなたにはそのような人になってほしいと思います。
 (テサロニケ5章16〜18節・ヨブ記9章33〜35節)

 私は、いつでも神様と一緒に
 あなたを見守っています・・・  』

少女は突然、日記帳を閉じた。少女は気付いてしまったのだ。
そう。少女は、気付いてしまったのだ。

もう、この世にお母さんはいないということを・・・。

掲示板に寄せられた投稿を掲載しています。新たな投稿はできません。
掲載内容に問題がありましたら、y@nun.nuまでメールにてご連絡下さい。
© THEBB & 書き込みをしたザの人